新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)が日本で昨年1月に初めて確認されて以来、すでに1年半近く経とうとしています。この間に、私達の生活様式は大きく変わり、私達の健康にも多大な影響を与えています。これまではあまり意識していなかったウイルスという目に見えない小さな存在を身近に感じ、マスク着用や手指消毒など衛生への関心が高くなりました。結果として、冬場のインフルエンザ流行が抑えられ、一般の風邪も減りました。
一方で、テレワークの普及や外出の自粛等により多くの人が運動不足になり、体重が増えてコレステロールや血糖が高くなった方もいます。週に一回の出社で都内まで電車通勤したら筋肉痛になったという笑い話のような人も居て、電車通勤が運動不足解消の役割をしていた事を認識させられました。新型コロナは肺炎や血管炎を引き起こして私達の身体を蝕むだけではなく、行動変容を促す事で私達を習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)へと引きずり込んでいくようです。
ワクチン接種が始まったとはいえ、まだまだ終息には程遠い新型コロナ。今後どう付き合っていけば良いのでしょうか。一年前の緊急事態宣言時に比べて緊迫感が薄いのは私だけではないでしょう。新型コロナという未知の感染症の正体がだいぶ分かって来た事が理由としてありますが、長く続く規制に疲れて来た事や大きな数字に慣れて感覚が麻痺して来たということも否めません。毎日のように各地の感染者数が報じられ、専門家が注意喚起する言葉がテレビから流れて来るのをどこか別の世界の出来事のように感じている人も少なくないでしょう。
新型コロナの多くは飛沫感染によるものです。もちろん手にウイルスが付いて口から感染する接触感染もありますが頻度は少ないようです。他人の飛沫を浴びない事、これこそが最大の予防策となります。飛沫とは簡単に言えば「唾(つば)」です。他人の唾を浴びてるなんて、これまでそんな事気にした事あまりなかったと思います。時々テレビでスパコン富岳がシュミレーションした飛沫の飛散画像が出ていますが、あれを見るとゾッとします。マスクでかなり飛散が少なくなる事も実証されています。もしも同居家族以外の人とはお互いにマスクをして2メートルの距離を空けて話をする事を完全に守れば、新型コロナは間もなく終息する事でしょう。分かってはいるけど出来ない、それが人間なのでしょう。この人は安全だろうという気の緩みからマスク無しで会話や会食する事もあります。政府は5人以上での会食は避けて、と警告しますが、実は人数はあまり関係ないです。要は感染者がそのグループの中にいる確率が人数が多くなれば上がるということに過ぎません。例えば同居家族6人が外食しても全く問題ありません。普段同じ家で一緒に生活してるのですから。それが、全く生活の場が違う人3人が会食すれば感染の危険性は上がり、その人数が増えるほどその危険性も高くなります。同居家族以外との会食はお互いがワクチンを接種するまでは極力避けた方が良さそうです。ワクチン接種後に免疫をすり抜ける変異株が蔓延するような状況であれば、さらなる対策を考えるべきかと思います。
皆さんも感染しないように十分気をつけてワクチン接種をお待ち下さい。