多くの方は年1回、健康診断や人間ドックを受診していることと思います。健康診断は単に受診するだけでは効果がありません。せっかくの健康チェックのチャンスです。検査結果を参考に、生活習慣の改善につなげて、健康管理に役立てたいものです。
健康診断や人間ドックの意義は、病気を早期に発見し、初期の段階で病気の芽を摘み取ることです。そしてもうひとつ、検査結果から身体の発する危険信号を察知することで生活習慣の改善を促し、病気を予防する大切な役割があります。
検査結果報告書が届きましたら、総合判定や指示・指導を見てください。現在の健康状態、注意事項が示されています。過去の検査結果にも注意し、自らの健康状況の変化を細かく観察しましょう。保健指導欄も参考にして生活習慣を改善しましょう。
総合判定で
「異常なし・軽度異常」だった方
検査の結果、ほぼ心配のない状態です。すでに生活習慣に気を配っている方は、引き続き、規則正しい生活を続けましょう。前回と比較し異常値に近くなっている方は、生活習慣の改善が必要です。検査結果が異常値とされていても実際は病気がないこともあり、逆に検査結果が基準値でも病気が隠れていることもあります。「異常なし」は「検査結果が基準値の範囲内」という意味であり「病気がない」ことではありません。検査結果は一つの目安として考えてくださ
い。
「要経過観察・生活改善・要再検査」だった方
検査結果が基準値内ではないので、数ヶ月~1年後に再検査を受ける必要はありますが、緊急性はない状態です。生活習慣などの改善を心がけることで、正常範囲内に戻すことや、悪化を防いでいきましょう。
「要治療」だった方
すでに治療が必要な異常値が見つかったという状態です。できるだけ迅速にその指示に従って医療機関を受診して、最適な治療についてしっかり相談してください。
「要精密検査」だった方
疑わしいところがあるので、詳しく調べてみましょうという意味で、病気と診断されたわけではありません。検査結果だけでは疾患の有無や治療の必要性が判断できないため、より詳しい検査が必要な状態です。大部分の人は、精密検査によって異常がないことがはっきりするか、あっても日常生活に注意をしながら経過をみていく程度にとどまるものです。また、仮に病気が見つかったとしても、早期発見、早期治療を行うことが大切です。病気の診断を行い、治療の可否判断をするために、早めに検査を受けましょう。
「治療中」の方
主治医に結果をみせて、今後の治療に役立ててください。
健康診断や人間ドックは、その結果をもとに自分の健康状態を把握して、今後の健康管理にいかしていくことが大切です。病気がひどくなってはじめて医療機関を受診するということのないように、今一度、検査結果を見直して、今後の健康管理に役立ててください。検査結果以外のことでも、健康上何か気になることがございましたら、是非ご相談ください。