以前、大腸がんは米国に多い病気とされていました。しかし、WHO(世界保健機関)2018年データによると、先進7カ国(G7)において日本人女性の大腸がん死亡率が最も高く、男性も2番目に高いのです。日本人女性は米国人女性の1・2倍、男性の場合は約1・5倍の死亡率です。発生率においても日本人女性が米国人女性の1・2倍、男性が1・6倍となっています(2010年データ)。
1992年に日本人男性の大腸がんの死亡率と発生率が米国を上回り、女性も2000年以降に同様の変化が見られました。では、なぜ日本で発生率と死亡率が高いのでしょうか。
その原因の一つは、日本のがん検診の受診率の低さにあります。日本では1992年から検診における免疫便潜血検査2日法(以下便潜血検査)が導入され、その後死亡率は下がってきていますが、他国に比較して大腸内視鏡検査による精検受診率と便潜血検査の受診率がまだ低いです。毎年の便潜血検査により大腸がん死亡率は32%減少し、5年に1回の大腸内視鏡検査で68%減少することが分かっています。
鎌倉市の検診では40歳から便潜血検査が実施されています。大腸内視鏡検査を受けていない方は便潜血検査を受けることを強くおすすめめします。詳しくは専門医にご相談ください。