Q. 大腸ポリープを内視鏡で切除してもらったところ、一部に癌が含まれていました。大丈夫でしょうか?
A. 癌が粘膜内であれば、内視鏡治療で完治します。
大腸ポリープは、ポリープを形成する細胞によって腺腫性ポリープ、過形成性ポリープ、炎症性ポリープなどに分類されます。治療が必要なポリープは、腺腫性ポリープと大きな過形成性ポリープです。腺腫性ポリープは大きくなると癌化すると考えられており、本邦の報告では径5mm以下のポリープは癌化率0.46%、径6~9mmでは3.3%、径10mm以上では28.2%程度とされています。
大腸粘膜は内側から、粘膜層、粘膜下層、筋層、漿膜の層構造になっています。癌が粘膜内であれば、リンパ節転移はないため、内視鏡治療で完治します。問題は粘膜下層に達している癌です。粘膜下層の深くにまで癌が入り込んでいると、10%程度のリンパ節転移がありえるため、外科的手術をしたほうがよいか検討します。
内視鏡で切除したポリープは顕微鏡で検査をします。切除断端、癌細胞の有無、癌が存在する場合は癌細胞の性状・広がり具合・血管やリンパ管の状態を調べ、完全に切除できているか、追加治療の必要がないかを正確に判断します。
万が一、癌が見つかってもごく早期であれば内視鏡で切除することが可能です。定期的に大腸内視鏡検査を受けましょう。特に、血縁者に大腸癌になった人がいる方、喫煙される方、飲酒量の多い方、および肥満傾向の方は大腸癌のリスクが高いことが知られておりますので大腸検査をおすすめします。何かご不明な点がございましたら、気軽にご相談ください。