年末年始につい飲み過ぎ、食べ過ぎてしまった方は多いのではないでしょうか?お正月休み明けは日常生活のリズムにもどる時期で運動習慣をつけ直す絶好のタイミングです。適度な運動をするように勧められても、どの程度の運動がいいのかわからない方は是非ご参考にしてみてください。
無酸素運動と有酸素運動
無酸素運動は瞬間的に強い力が必要な時に行う運動です。糖質をエネルギー源にして大きな力を出すことができますが、疲労物質(ピルビン酸や乳酸など)が筋肉に蓄積します。筋肉に多量の疲労物質が蓄積すると筋肉は収縮できなくなるため、無酸素運動は長時間の運動はできません。一方、有酸素運動は酸素を利用しながら糖だけでなく脂肪や筋肉内に蓄積された乳酸を分解しながら行う運動で、筋肉が疲労しにくく長時間の運動が可能です。脂肪燃焼や運動不足の解消、生活習慣病の予防・改善には有酸素運動が効果的です。
有酸素運動の利点
筋肉に負荷をかけず筋肉痛にならないので毎日続けることが可能です。体脂肪を燃焼させるだけでなく、心肺機能が高まります。血管の柔軟性を高め、毛細血管が増えて血流が良くなり、代謝がよくなります。疲労が溜まりにくく、また抜けやすくなり、骨への適度なストレスによって骨も強化されます。
適切な運動強度
ゆっくりと歩く速度で動きはじめ、少しずつスピードを上げていくと、あるスピードから息があがり苦しさが増してきます。疲労物質が蓄積され始めるためです。苦しく感じ始める境界付近をAT(Ananerobic Threshold :無酸素性作業閾値)といいます。有酸素運動から無酸素運動へ切り替わるポイントです。会話ができる程度のあまり息があがらない(ATを超えない)運動強度が適切な運動強度といえます。
心拍数を利用した運動強度の設定
心拍数を利用すると、より効率よく脂肪燃焼ができる運動が可能です。心拍数とは、1分間に心臓が収縮する回数です。手首の内側(親指の付け根)に、指をあてて1分間の心拍数を測ります。運動をする際の目標心拍数は、自分の安静時心拍数、最大心拍数を知ることから始まります。まず安静時の心拍数を測りましょう。次に220からご自身の年齢を引き最大心拍数を計算しましょう。
最大心拍数 = 220 – 年齢
最後に運動強度を設定します。最大心拍数の70~75%がATに相当する運動強度なので、運動経験がない方は最大心拍数の60%未満、ある程度運動をしている方は60~70%の運動強度が脂肪燃焼に最適です。
それでは目標心拍数を計算しましょう。
目標心拍数 = (最大心拍数 - 安静時心拍数) × 運動強度 + (安静時心拍数)
たとえば、あなたが50歳で60%の運動強度の目標心拍数を計算した場合
最大心拍数は220 – 50 = 170
安静時心拍数を70とすると
目標心拍数は(170 – 70) × 0.6 + 70 = 130
となります。
運動で上昇した心拍数が目標心拍数に近く、なおかつ越えない程度であれば、自分にあったペースで運動ができていることになります。
心拍数の計算や測定が面倒な方は、スポーツ店などで購入可能な腕時計型の心拍計がおすすめです。心拍計はリアルタイムで心拍数がわかり、運動の記録が保存され、GPS機能がついているものもあります。
運動習慣が身に付き体力がついた方は、体脂肪が減るとともに心拍数があがりにくくなり、ジョギングも楽にできるようになります。運動に自信がついた方はフルマラソンにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?