逆子にお灸?
皆さん、逆子の治療といえば何を思い浮かべますか?
日本では「逆子の灸」として古くから民衆に親しまれ行われてきた歴史があることをご存知でしょうか。
近年では、母体の足の小指にあるツボ至陰(しいん)や三陰交(さんいんこう)にお灸をすることが有名になり、産婦人科でも積極的に進めることが多くなっています。
矯正率60~90%
過去逆子の鍼灸治療を行った研究報告では、頭位に矯正した割合がなんと60~90%となっています。
筑波大学が行った研究でも、逆子と診断され 鍼灸治療を受けた143 例中 88 例 61.5%が矯正したと報告しています。
さらに、妊娠 28~31 週に鍼灸治療を開始した者は、妊娠 32~35 週に鍼灸治療を開始した者に比べ、矯正率が有意に高い結果が得られたとの報告もある事から、逆子の鍼灸治療を始める時期は29週前後からが理想的と言えそうです。
注意が必要な状態
臍帯巻絡、過短臍帯、羊水過少、
双角子宮、子宮筋腫、羊水過多、
多胎、前置胎盤
通常上記の指摘を受けた場合は、医師へ指示を仰いでから鍼灸院へご相談下さい。
※筑波大学の研究チームは、上記の注意が必要な状態でも、早期に鍼灸治療を受療することで、矯正率を上げる事が出来る可能性を指摘しています。
また、妊婦が身体の不調(肩こり、腰痛、むくみ、冷え等)がある場合と、不調がない場合での頭位矯正率に違いがあることも研究結果として指摘しています。
妊娠期に不調がない状態を保つことが逆子を治すことにも繋がると当院の経験でも考えております。
逆子の東洋医学的な考え方
東洋医学では、頭側が「陽」とし、足側を「陰」とします。そして頭が涼しく足が暖かくなっていることで、陰陽の調和をはかっていると考えています。これを頭寒足熱と言います。
赤ちゃんは28週以前まではグルグルと母体の中を回り、陰陽を循環させているのですが、出産間近になると、母体の陽側に赤ちゃんの足「陰」が、母体の陰側に赤ちゃんの頭「陽」になることで、バランスを整えるようになります。母体の頭寒足熱が胎位の道しるべになっている感じです。
母体の足が冷たくなっていたり、のぼせて頭が暑くなっていたり、循環が悪くなっていたりすると、胎位の道しるべが通常とは違う所にあるため、胎位異常になってしまうのだと捉えています。
逆子と指摘されたら鍼灸院へ。
でもはじめての鍼灸が妊婦になってからでは心配なこともありますよね。
ですので、当院では妊娠準備の時期や、日常のからだのメンテナンスのために「かかりつけ鍼灸院」を持っておくことをおススメします。