塩分を控えて高血圧予防、糖質控えて糖尿病予防、と言うのは常識ですね。
では、日本人が昔から食べている白米は身体に良いの?果物は甘いから糖尿病予防のためにあまり食べない方が良いの?うどんや蕎麦は?と疑問は尽きません。
最近では、肉は1日最低でも100g以上食べた方が良いとテレビで放送していたり、やはり魚が身体に良いと言われたりで、何が何だか分からなくなります。私自身も患者さんから質問されて明確に答えられないこともあったりで、困ることもあります。そこで最近、食事に関して少し勉強し直しました。
結論から言いますと、科学的に健康に良いと分かっている食品は5種類です。
①野菜 ②果物 ③魚 ④ナッツ類 ⑤オリーブ油
これらの食品は、主として動脈硬化を予防して、脳梗塞や心筋梗塞を予防し長寿に導いてくれます。ただし、メロンを食べると糖尿病になりやすいので注意が必要です。また、ジュースは100%でも糖尿病になりやすい事が分かっています。これは、ジュースには食物繊維が入ってないことが原因のようです。ちなみに、最近話題の腸内細菌の善玉菌は食物繊維を餌にしているようです。したがって、食物繊維を豊富に摂取する事が健康にとって大切なわけです。
では、最近テレビで話題になる事が多い肉類はどうでしょう?赤肉である牛肉と豚肉、羊肉などは心筋梗塞を増やし大腸がんや乳がんになりやすくするというデータがあります。特に、ベーコンやハム、ソーセージなどの加工肉の発がんとの関係は深いと考えられています。白肉である鶏肉は全く別であり、積極的に摂ると良いでしょう。牛肉や豚肉は週に1、2回が良いかと思います。
普段の診療中にタンパク質が不足している人が目立つため、卵を最低でも1日1個は食べるように私もお勧めして来ました。昔からコレステロールを多く含む卵は、高脂血症予防のために控えた方が良いと言われてきました。しかし現在では、食事中のコレステロールと血液中のコレステロール値とは、ほとんど関係ないということが分かっているのです。したがって、タンパク源としての卵をお勧めいてきたのですが、週に7個以上の卵摂取が心不全を増やすというデータがあり、魚を中心としたタンパク質摂取が良いと思います。卵は週に6個を限度とした方が良さそうです。
最後に、私達が昔から食している白米は食べても良いのでしょうか?結論から言いますと、食べない方が良さそうです。どうしても食べたい人は、1日にご飯茶碗軽く2杯、約320gを超えない量にすべきです。2杯以上の白米を食べる人は糖尿病になる確率が高くなるというデータがあります。炭水化物は精製する前のもの、白米なら玄米、食パンなら全粒粉のもの、うどんより蕎麦、というように変更すると健康に良いようです。
私達の身体を作るのは、私達が毎日食べているものです。したがって、食事の内容の良し悪しが、健康を維持出来るか、病気を作るかを決定するとも言えます。
病気になったら治療するのが医者の仕事、という時代から、病気にならないように指導する時代になって来たと思います。
また診察時に疑問な事はお尋ねください。