また寒い季節がやってきます。インフルエンザのワクチンの時期になってきました。
みなさんはワクチンをお受けになりましたか?
ところで、インフルエンザや風邪に抗生物質は効くと思いますか?一般の方へのアンケート調査によると、効くと答えた方が44% 効かないと答えた方が24% 残りの32%の方は分からない、との結果だったそうです。実際に医療機関にかかり、風邪と診断されて抗生物質を投与された方も少なくないと思います。医師に対する調査では、風邪の時に抗生物質を処方するという人が60%以上もいたのです。
結論から言いますと、インフルエンザや風邪に抗生物質は効きません。理由は、インフルエンザや風邪の原因はウイルスであり、細菌をやっつける抗生物質は何の役にも立たないのです。
では何故、多くの医師が抗生物質を処方するのでしょうか?理由はいくつかあると言われています。風邪と軽い肺炎を区別する事が困難なために、とりあえず肺炎でも効くようにと抗生物質を処方する場合。最初はウイルスによる風邪でも、途中から細菌感染が重なってくる事を予防しようと初めから抗生物質を処方する場合。患者さんが抗生物質を欲しがる場合、などです。
最初にお話したように、抗生物質が風邪に効くと思っている人が半分近くいるわけですから、診察の時に患者さんから抗生物質の処方を要求されることも少なくありません。しかし、抗生物質は風邪には効きません。では風邪はどうやって治すか?
基本的には、安静・保温・栄養 です。辛い症状は薬で緩和して、あとは暖かくしてゆっくり休む。これしかありません。私自身は、この方法プラス漢方薬の麻黄湯で、開業以来一日も風邪で休診したことはありません。もちろん抗生物質も使ったことはありません。
みなさんも普段から手洗いとうがいで予防し、風邪にかかったら安静・保温・栄養で早く治して下さい。