Q・祖父と父親ががんに罹り、自分もそうなるのではないかと不安です。がんの種類と対策について教えてください。
A・がんは1981年以降、日本人の死因第1位の疾患で、その割合は年々増加傾向にあります。日本人が生涯でがんになる確率は男性が63%、女性が47%。2人に1人ががんになるといわれています。
男性で生涯罹患確率が高いのは胃がん、大腸がん、肺がんの順で、女性では乳がん、大腸がん、胃がんの順になっており、消化管に関連したものが多いと言えます。消化管のがんには主に食道がん・胃がん・大腸がんがあり、日本人男性の23%、女性の14・4%が生涯のうちにこれらに罹患します。
こうしたがんは早期に発見することで、メスを使った手術をしなくても内視鏡で治療をすることが可能です。手術が必要な場合でも、早期の消化管のがんは高い確率で助かりますし、発見には内視鏡検査がたいへん有用です。定期的に医療機関で検査を受けることをおすすめします。
これまでの研究から、がんの原因の多くは喫煙や飲酒、食事など生活習慣に係わるものであることが明らかになっています。主なリスク要因として、食道がんは喫煙、飲酒、熱い飲食物の摂取が知られています。胃がんで最も重要なものはヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染です。また、喫煙、塩分過剰摂取もリスクを高めます。大腸がんのリスク要因は飲酒、喫煙、肥満、加工肉摂取などが有名となっています。
定期的な内視鏡検査と生活習慣の見直しをすることで、がんのリスクは確実に低下します。自身の罹患リスクについて気になっている場合は、専門医へ相談すると良いでしょう。