「腫瘍マーカーとがんの診断」 柳川健

皆さんがよくご存じのPSAやCEAという腫瘍マーカーが、あたかもがんを早期診断できる血液検査であると勘違いしていませんか?
 腫瘍マーカーは以前にも何回か話題にしたことがありますが、現在のところ早期診断に有用であると確定されている腫瘍マーカーは残念ながら一つもありません。
 PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーとして50歳以上の男性の場合一度は測定したことがあるかもしれません。もちろんこのPSA高値で前立腺がんが見つかった方もいらっしゃると思います。しかし、PSAが正常であっても前立腺がんは完全には否定できず、また高値であっても前立腺がんではないことも多いのです。CEAは大腸がんや乳がんなど色々ながんの時に高値となりますが、多くの場合は進行がんになってからのことが多いのです。
 腫瘍マーカーは、外科的手術や化学療法の際に、その効果を判定するために使用するのが正しい使い方なのです。もともと診断のために使うものではないのです。そのことを知っていただいた上でご自分の腫瘍マーカーを理解していただきたいと思います。
 血液検査でがんの早期診断ができるようになることが理想的な医療だとは私も思います。しかし現状ではそうした時代はまだまだ来そうにありません。日本人に多いがん、特に胃がんや大腸がんは定期的な内視鏡検査を受けることによってほとんどの場合早期に見つかりますので、ぜひ40歳以上になったら定期検査をお受けください。

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