柳川医師のコラム

「新年を迎えて」  柳川 健

新しい年を迎え、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
寒さの厳しい季節、お身体に気をつけて健やかにお過ごしいただきたいと願っております。

 

さて、鎌倉の「柳川クリニック」は今年の2月で14歳を迎えます。多くの方にご利用頂き、理事長柳川健、院長小尾龍右始め、スタッフより御礼申し上げます。鎌倉市は高齢化が今後もますます進み、私どもがクリニックを始めた14年前とは少しずつ状況が変わってきていると感じます。ご高齢の方が利用しやすいクリニック作りを考えながら日々努力してまいります。どうぞご意見やご要望等が御座いましたら何なりとお申し出ください。今後在宅医療や送迎サービスなどを充実させていきたいと考えております。

 

横浜の「みなとみらいケンズクリニック」は今年の5月で2歳になります。
内視鏡検査を中心に漢方内科、心療内科、生活習慣病の方など幅広くご利用頂きありがとうございます。桜木町駅前という利便性が良いため、横浜、川崎、都内からも多くの方に来院して頂いております。また併設の鍼灸院は予約が入りにくくなっており、近くにもう少し広い分院を現在検討中です。カウンセリングも予約が入りにくいため、実施曜日を増やす予定にしております。みなとみらいでも、鎌倉と同様に西洋医学にとらわれない統合的な医療を提供したいというコンセプトのもと、今年も院長柳川健 副院長小尾龍右 スタッフ一同努力してまいります。

昨年3月の震災からもうすぐ1年。今もその影響で不安の多い日々をお過ごしの方もいらっしゃると思います。皆様が体も心も健康でいられるようにお手伝いさせて頂くことが私たちの使命であります。

今年もよろしく願い申し上げます。   

「便秘で困っている方へ」  柳川 健

~便秘で困っている方へ~

便秘は、3日以上排便がないか、毎日排便があっても出きらないような違和感
があるものを言います。男性よりも女性に多くみられます。

一般的には長期に渡って便秘に悩んでいる方が多いのですが、もともと便秘で
はなかったのに最近便秘になってきたという場合には特に注意が必要です。
その場合には、まずは大腸内視鏡検査を行う事によって、大腸内を便が通過し
にくいような病変がないことを確かめる必要があります。

内視鏡検査で異常がない場合には、便秘を引き起こすような全身の病気
(たとえば甲状腺機能低下症)の有無を調べます。
よく経験するのは、高血圧の治療薬や胃薬を服用してから便秘になった方や、
今の季節ですと花粉症の薬を飲んでから便秘になっている方も少なくありません。


そうした全身の病気や薬によるものではない場合には、食生活や排便習慣、
運動などの生活習慣を改善して頂くとともに、なるべく長期に使用しても問題と
ならないような薬を中心に薬物治療を行います。

 

市販の便秘薬を長期に渡って使うことはお勧めできません。
市販の便秘薬の多くにセンナなどの腸に対して刺激的に働く成分が入っており、
長期に連用すると腸の働きが低下してしまう事があるためです。

 

同じ便秘であっても、その原因が患者さんによって異なるため、使う薬や生活上
の注意点も変わってくるのです。

 

便秘は重大な病気のサインであることもありますので、特に最近になって便秘が
生じてきた方は早めに大腸内視鏡検査をお受け下さい。
また慢性的に便秘でお悩みの方は、市販薬を長期連用することなく診察の時に
ご相談ください。

「勘違いの多い医学常識」  柳川 健

一般的には当たり前と考えられている医学知識のなかには、
もう古くなってしまったことや、明らかに間違っていることなどが
たくさんあります。
今回はその中でも重要と思われるものをいくつかご紹介します。
「かぜをひいたら早めにかぜ薬を飲んだほうがよい」このように考え
ている人が多いのです。テレビコマーシャルの影響も大きいと思います。
全く根拠がありません。かぜを治す薬はないのです。

症状が辛ければ薬を使って抑えるということです。
特に市販の総合感冒剤には解熱剤、咳止め、痰切りなど様々な
薬剤が混合されています。したがって、すこし喉が痛いからといって
総合感冒剤を使うことは体にとても悪いのです。
しかし漢方薬の麻黄湯は初期のかぜに効果があります。
インフルエンザの場合にも麻黄湯はウイルスの増殖を抑えることが分かっています。
風邪かな、と思ったら麻黄湯をお湯に溶かして飲みましょう。
「かぜをひいたときは抗生物質を飲むと良い」これも多くの人が信じている間違いです。
ウイルスによるかぜが発症した後に、二次感染といって細菌(ばい菌)が感染する
ことがあります。その予防のために抗生物質を投与されることが我が国では多いのですが、
全く根拠がありません。
抗生物質による薬害を減らすためにも、単なる風邪に抗生物質は使わないようにしましょう。

最後に、当院で良くある話。
「検診で便潜血反応が陰性なので大腸の病気はない」大腸内視鏡検査をお勧めすると、
このようにおっしゃる方が少なくありません。進行性大腸ガンがあれば便潜血反応は2回の
うち1回は陽性になることがほとんどです。しかし、早期大腸ガンや内視鏡治療ができるような
大きさの大腸ポリープの場合には便潜血反応は陰性になることも多いのです。
大腸ガンの多くは大腸ポリープ(癌になる前の段階という意味で)が成長してできてきます。
この段階で内視鏡治療すれば開腹手術を受けることなく比較的簡単に処置が終わります。
便潜血反応の有用性を否定するわけではありませんが、少なくとも50歳になったら一度は
大腸内視鏡検査をお受け下さい。

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