「不妊症で漢方治療中に妊娠・出産に至った方のお話」

 

30代の女性が「冷え症、乾燥肌とかゆみ、慢性の疲労感」に対して漢方治療希望とのことで来られました。診察で陰虚証(冷え症体質、慢性疲労感)と脾虚(消化器系の機能低下)と瘀血(血流不全)ありと診断され人参湯合当帰芍薬散料(煎じ薬)を処方しました。

通院1ヶ月後「かゆみも軽く、疲れも前より楽です」と改善を認めたので経過を見ていたところ、3か月目に「先生、実はもう一つ悩みがあります」と切りだされました。1年前に産婦人科で原因不明の不妊症と診断され一度も妊娠せず今日に至り半ば諦めていた。漢方で不妊症に対する治療もできますか?という相談でした。

妊娠・出産は「命」を生み出すのですから壮大なエネルギーを必要とします。この方の不妊はそのエネルギー=「気」が不足したための現象と考えられました。そこで牛車腎気丸料(煎じ薬)を従来の薬にプラスして処方しました。

通院11か月ごろ腹部の診察でお腹がふっくらし、女性ホルモンのよい影響が出ている感触がありました。「そろそろかな?」と思いながら見守っていたところ妊娠されました。その後、38週で元気な女の赤ちゃんが誕生したと写真入りの手紙を送ってくださいました。

不妊症には多くの要因があり治療は簡単ではありません。しかし、漢方で体質の弱い部分を治療することで、その一助になれると考えています。

(当院の一般的な治療方針の一つとひて紹介しています。漢方治療は個人により、処方や対応が異なります。)

柳川クリニック

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