胃癌、大腸癌を早期に発見するために 小尾 龍右
『柳川クリニック』の最寄り駅である西鎌倉駅の
1日の乗降客数が何名かご存知でしょうか。
調べてみますと約5千人ということでした。
5千人という数は健生会グループの『柳川クリニック』と
『みなとみらいケンズクリニック』で約1年間に内視鏡検査を
受けられた方とほぼ同数です( 5209例 、2010年5月 ~ 2011年3月 )。
その中で残念ながら、癌(胃癌または大腸癌)と診断された方は
約1%、49名(早期癌30名、進行癌19名)おられました。
できれば、癌にはなりたくありません。
しかし、日本人の3割が癌で亡くなるという現実があります。
認めたくありませんが、癌は身近な病気なのです。
すこし、暗くなりますね。
そこで、発想を転換しましょう。どうすればいいのか。
それは早期発見、早期治療です。
癌の中でも胃癌、大腸癌は無症状の段階、
すなわち早期の段階で発見できれば完治が望める病気なのです。
ところが、癌細胞がどんどん増殖し転移をはじめる状態、
すなわち進行癌で発見された場合は命にかかわります。
だから、私たちは早期発見のために内視鏡検査
(いわゆる胃カメラ、大腸カメラ)をお勧めします。
しかも「出来るだけ早く」そして「定期的に」。
それでは、何歳から検査を受ければいいのでしょうか。
当院のデータでは胃癌または大腸癌と診断された方の最小年齢は35歳です。
まれながら、20代でも癌を発症する可能性があるというのは学問的な事実です。
ですから、40歳までには最初の内視鏡検査を受けて頂くのがよいと思います。
すみません。あまり、ガンガン、癌と言うと不安になりますね。
なかには「私はもう60歳。今さら検査をしても遅いのか」と
落胆された方もあるかもしれません。
がっかりしないでください。
早期癌で発見された方の平均年齢が65歳。
進行癌で発見された方の平均年齢は66歳でした。
ですから、60歳でも遅くありませんので、どうぞ検査を受けてください。
次に、検査間隔はどのくらいが適切なのでしょうか。
早期癌で発見された方の検査間隔は胃が平均2.5年、大腸で5.3年でした。
一方、進行癌の場合は胃が平均8.8年、大腸は11.0年でした。
このデータから胃は約2年、大腸は約5年ごとに検査を受ければ早期発見できるが、
検査間隔がそれより長いと進行癌で発見されてしまうと解釈できます。
さらに、癌の進行は年齢、生活習慣、遺伝的素因などによって違います。
万全を期すなら胃は約1年、大腸は約2年ごとが理想的です。
さらに用心するなら、大腸も1年ごとに受けて頂けば安心です。
ここまでの説明で、「できるだけ早く、定期的に」内視鏡検査を
受けて欲しいという理由を御理解いただけたかと思います。
駅のホームに立つとふと思うことがあります。
今日、この駅を利用した5千人の皆さんの中にも内視鏡検査を
受けておけば、助かる胃癌、大腸癌の方がいらっしゃるかもしれないと。
この拙文を見て内視鏡検査を受けようと思って頂けることを切に願っています。