なんらかの病気でお腹の手術を受けられた方がいらっしゃると思います。お腹の手術には大別すると、開腹手術と腹腔鏡(ふくくうきょう)手術があります。開腹手術がよいか、それとも腹腔鏡手術がよいのかは、病状、年齢、既往歴、手術の難易度などによって高度な医学的判断が必要です。したがって一概にどちらの手術が良い、悪いといえるものではありません。しかし、腹腔鏡手術の方がお腹にのこる傷跡が小さく、傷の痛みも少なく、腸の癒着もおこりにくいということから患者さんに優しい手術として徐々にひろまっています。
なぜ、腸の癒着がおこりにくいと患者さんに優しいのかといえば、腸の動きと関係があります。腸はお腹の中で食べ物を消化するために自由に動きながら、しゃくとり虫のように蠕動運動をしています。この、「腸が自由に動ける」ということが重要です。手術によって癒着が起きると、腸と腸または腸と傷口が接着剤ではりつけたようになるため、腸の動きが制限されます。そうすると、消化に時間がかかったり、ひどい場合は食べ物が腸の中に停滞、貯留して、嘔吐や腹痛をひきおこす腸閉塞となります。また、大腸内視鏡検査を行う時も内視鏡の動きが制限されて挿入が困難になったり、検査時の腹痛につながります。
例えば、私たちが普段はいているズボンを想像して下さい。右足、左足が自由にうごかせるからこそ、階段の昇り降りや走ることができます。しかし、ズボンの右足と左足があっちこち、べたべたと接着剤でくっついてしまったらどうでしょう。普通に歩くことすら難しいとおもいます。腸に癒着がおきるということは、両足がくっついたまま歩くようなものです。したがって、癒着が起きないほうが患者さんに優しいわけです。
ただし、癒着の程度がほんのすこしであったり、腸の動きの邪魔にならない部位であれば癒着があってもなんら問題はありません。実際、開腹手術後になんの後遺症も無く、大腸内視鏡を苦も無く受けていらっしゃる方もおられます。さらに、開腹手術の時に特殊なフィルムを使用して腸を保護したり、手術の直後から大建中湯(だいけんちゅうとう)という漢方薬を服用することで癒着や腸閉塞の防止に効果を上げています。医学は進歩しています。
ここまで読まれたかたは、「政官財の癒着」という言葉のイメージもありますので、癒着=悪いこと、という印象が強まったと思います。しかし、それは誤解です。癒着というのは手術によってできた傷口を塞ぐために必要な生体反応が起こった結果なのです。言いかえると、手術を受けて傷口がのりづけされるときに、のりがはみ出してしまい、そのために腸と腸または腸と傷口がくっついてしまったという結果であって、癒着という反応が悪いわけではないのです。「癒える」ときに「接着」するから癒着なのです。
体の中でおきることには全て意味があります。それがときには良い結果を生む場合もあるし、悪い結果につながることもあります。しかし、それは体が生きよう、治ろうとして頑張った結果なのです。だから「なぜこんなことになったのだ」と落ち込まないでください。人間はいくら「死にたい」と念じても心臓の鼓動を止めることは出来ません。逆に「生きたい」と念じても停止した心臓を動かすことはできません。精神が、肉体という場を借りて、生かして頂いている存在が人なのです。ですから、癒着も肉体が治ろうとして頑張った結果なのだと解釈してあげてください。そして、頑張ったけれど余分に癒着を起こしてしまった肉体を食事療法や薬でサポートして、元気に長生きさせていただくという考え方で病気を捉えて欲しいと思います。
開腹手術を受けた方の食事に関する注意事項は、一度にたくさん食べ過ぎないことが重要です。なぜかというと、癒着があると腸の動きに制限が加わるため、一度に処理できる食べ物の量もおのずと決まってしまうからです。道路にたとえると、一定の交通量なら渋滞を起こしませんが、車が増えると流れが詰まります。それとおなじです。したがって、満腹の食事を3食ではなく、腹7分目にして4食いただくことをお勧めします。
また、海藻、キノコ類、イモ類も控えたほうがよいでしょう。これらの食品は食物繊維が多いので、普通の人が食べれば便通をよくしてくれますが、腸に癒着がある方の場合は食物繊維が腸の動きの悪いところで渋滞をおこして腸閉塞を発症する場合があります。少量なら問題ありませんが、人並みにたべることは避けたほうが良いと思われます。
薬は、便通が一定になるように便秘薬をご自分にあうように調節されるとよいでしょう。癒着の程度や消化力は十人十色ですから、これを飲めばよいという特効薬はありません。それゆえ、何を飲めばよいのか、毎日排便がないと悪いのではないかと、悩んでしまう方もあると思いますが、極論すれば腸閉塞にならないことを目標にすればよいのです。日々の便の硬さや出方をみたうえで、食事や薬を医師と相談しながら調節する余裕は十分にあります。時間をかけてご自分にあった調整法を見つけてください。
なぜ、腸の癒着がおこりにくいと患者さんに優しいのかといえば、腸の動きと関係があります。腸はお腹の中で食べ物を消化するために自由に動きながら、しゃくとり虫のように蠕動運動をしています。この、「腸が自由に動ける」ということが重要です。手術によって癒着が起きると、腸と腸または腸と傷口が接着剤ではりつけたようになるため、腸の動きが制限されます。そうすると、消化に時間がかかったり、ひどい場合は食べ物が腸の中に停滞、貯留して、嘔吐や腹痛をひきおこす腸閉塞となります。また、大腸内視鏡検査を行う時も内視鏡の動きが制限されて挿入が困難になったり、検査時の腹痛につながります。
例えば、私たちが普段はいているズボンを想像して下さい。右足、左足が自由にうごかせるからこそ、階段の昇り降りや走ることができます。しかし、ズボンの右足と左足があっちこち、べたべたと接着剤でくっついてしまったらどうでしょう。普通に歩くことすら難しいとおもいます。腸に癒着がおきるということは、両足がくっついたまま歩くようなものです。したがって、癒着が起きないほうが患者さんに優しいわけです。
ただし、癒着の程度がほんのすこしであったり、腸の動きの邪魔にならない部位であれば癒着があってもなんら問題はありません。実際、開腹手術後になんの後遺症も無く、大腸内視鏡を苦も無く受けていらっしゃる方もおられます。さらに、開腹手術の時に特殊なフィルムを使用して腸を保護したり、手術の直後から大建中湯(だいけんちゅうとう)という漢方薬を服用することで癒着や腸閉塞の防止に効果を上げています。医学は進歩しています。
ここまで読まれたかたは、「政官財の癒着」という言葉のイメージもありますので、癒着=悪いこと、という印象が強まったと思います。しかし、それは誤解です。癒着というのは手術によってできた傷口を塞ぐために必要な生体反応が起こった結果なのです。言いかえると、手術を受けて傷口がのりづけされるときに、のりがはみ出してしまい、そのために腸と腸または腸と傷口がくっついてしまったという結果であって、癒着という反応が悪いわけではないのです。「癒える」ときに「接着」するから癒着なのです。
体の中でおきることには全て意味があります。それがときには良い結果を生む場合もあるし、悪い結果につながることもあります。しかし、それは体が生きよう、治ろうとして頑張った結果なのです。だから「なぜこんなことになったのだ」と落ち込まないでください。人間はいくら「死にたい」と念じても心臓の鼓動を止めることは出来ません。逆に「生きたい」と念じても停止した心臓を動かすことはできません。精神が、肉体という場を借りて、生かして頂いている存在が人なのです。ですから、癒着も肉体が治ろうとして頑張った結果なのだと解釈してあげてください。そして、頑張ったけれど余分に癒着を起こしてしまった肉体を食事療法や薬でサポートして、元気に長生きさせていただくという考え方で病気を捉えて欲しいと思います。
開腹手術を受けた方の食事に関する注意事項は、一度にたくさん食べ過ぎないことが重要です。なぜかというと、癒着があると腸の動きに制限が加わるため、一度に処理できる食べ物の量もおのずと決まってしまうからです。道路にたとえると、一定の交通量なら渋滞を起こしませんが、車が増えると流れが詰まります。それとおなじです。したがって、満腹の食事を3食ではなく、腹7分目にして4食いただくことをお勧めします。
また、海藻、キノコ類、イモ類も控えたほうがよいでしょう。これらの食品は食物繊維が多いので、普通の人が食べれば便通をよくしてくれますが、腸に癒着がある方の場合は食物繊維が腸の動きの悪いところで渋滞をおこして腸閉塞を発症する場合があります。少量なら問題ありませんが、人並みにたべることは避けたほうが良いと思われます。
薬は、便通が一定になるように便秘薬をご自分にあうように調節されるとよいでしょう。癒着の程度や消化力は十人十色ですから、これを飲めばよいという特効薬はありません。それゆえ、何を飲めばよいのか、毎日排便がないと悪いのではないかと、悩んでしまう方もあると思いますが、極論すれば腸閉塞にならないことを目標にすればよいのです。日々の便の硬さや出方をみたうえで、食事や薬を医師と相談しながら調節する余裕は十分にあります。時間をかけてご自分にあった調整法を見つけてください。

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