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大腸がんは「予防できる」がんです― 定期的な大腸内視鏡検査を ―

最近、有名人が大腸がんで亡くなったという報道を目にする機会がいくつかありました。大腸がんを専門に診療する医師として、このようなニュースに接するたびに、残念な気持ちとともに、「もっと早く見つけることができていたら」と考えずにはいられません。

大腸がんは、今や欧米人よりも日本人に多く発生する病気です。しかし、他の多くのがんと大きく異なる特徴があります。それは、大腸がんの多くは「予防することができる」がんであるということです。

大腸がんの多くは、ある日突然がんとして発生するのではなく、まず大腸に「腺腫」と呼ばれる良性のポリープができ、それが何年もの時間をかけて徐々に大きくなり、その一部ががんへと変化していきます。つまり、がんになる前のポリープの段階で発見し、内視鏡で切除してしまえば、大腸がんそのものの発生を防ぐことができます。

実際、質の高い大腸内視鏡検査を行い、前がん病変であるポリープを適切に発見・切除することで、大腸がんの発症リスクを大幅に低下させることができることが、多くの研究で示されています。条件によっては、大腸がんの発症を9割近く減らせる可能性も報告されています。

そのために最も重要なのが、定期的な大腸内視鏡検査です。

便潜血検査は、大腸がん検診として非常に大切な検査です。しかし、早期のがんや小さなポリープでは出血しないこともあり、便潜血が陰性だからといって、必ずしも大腸に病変がないとは限りません。一方、大腸内視鏡検査では大腸の中を直接観察し、ポリープを発見すれば、その場で切除出来る場合が多いのです。「がんを早く見つける」だけではなく、「がんになる前に取り除く」ことができる。これが大腸内視鏡検査の大きな特徴です。

そして近年、大腸内視鏡検査も進歩しています。当院では、内視鏡医の観察に加えて、AI(人工知能)による画像診断支援システムを補助的に使用し、ポリープなどの病変をより確実に発見することを目指しています。もちろん、AIが医師に代わって診断するわけではありません。経験を積んだ内視鏡医の「もう一つの目」としてAIを活用することで、より質の高い検査につなげていくことが目的です。

大腸がんは、かなり進行するまで症状がないことがあります。「お腹の調子は悪くない」「便通もいつも通り」という方でも、ポリープや早期がんが見つかることは珍しくありません。症状が出てから検査を受けるのではなく、症状のないうちに定期的に検査を受けることが何より大切です。

特に40~50歳を過ぎた方、大腸ポリープを切除したことがある方、ご家族に大腸がんになった方がいる場合などは、ぜひ定期的な検査を意識してください。

大腸がんで亡くなる方を一人でも減らしたい。そのために私たちができる最も確実なことの一つが、適切な時期に大腸内視鏡検査を受け、見つかったポリープをきちんと切除することです。

「症状がないから大丈夫」ではなく、「症状がない今だからこそ検査を受ける」。

皆さんにはぜひ、定期的な大腸内視鏡検査を、ご自身の健康を守るための習慣の一つとして考えていただきたいと思います。


お体の不調や気になる症状のある方はお気軽に当院までお問い合わせください。