糖尿病治療の目標は「健康な人と変わらない日常生活の質の維持、健康な人と変わらない寿命の確保」であり、その目標を達成するために糖尿病網膜症、腎症等の糖尿病細小血管合併症および冠動脈疾患、脳血管障害等の動脈硬化性疾患の発症・進展の阻止が必要です。そのためには血糖、体重、血圧、血清脂質(コレステロール、中性脂肪等)の良好なコントロール状態の維持が不可欠です。
従来、妊娠例を除く成人の血糖コントロール目標は、
- 血糖正常化を目指す際の目標
- 合併症予防のための目標
- 治療強化が困難な際の目標
の3つに分類し、それぞれHbA1c 6.0%未満、7.0%未満、8.0%未満と設定されています(★HbA1c;採血時から過去1,2カ月間の平均血糖値)。
一方、高齢化社会を迎え、高齢者糖尿病は増加の一途を辿っている事から、ご高齢の患者さんが心身機能の個人差が著しく、重症低血糖を来しやすい等の問題点を考慮し、2016年春、日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会によって「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」が策定されました。患者さんの特徴と健康状態について認知機能のほか、着衣、移動、入浴などの日常生活動作;ADL(Activities of Daily Living)を評価別にカテゴリーⅠ~Ⅲに分類し、使用している糖尿病治療薬別に血糖コントロールはHbA1c 7.0未満から8.5%未満まで4段階に分けられています。
要は血糖コントロールに際しては「血糖値を低く下げれば良いということではない」ということです。低血糖を生じないように、適切な血糖値に管理する事が大切なのです。ご自身の血糖管理について、どの程度が望ましいのか、専門医へ確認されては如何でしょうか?
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